伝承 100年単位での継続性

足元湧出温泉

 

火山国でもある日本には、環境省によると、2019年3月時点で、全国には、2,986カ所の温泉地と、27,261の源泉があるそうです。
その中で、「足元湧出温泉」は全国に20〜30カ所しか存在していない。一度も空気に触れることなく、生まれたばかり源泉が、浴槽の底からぷくぷくと湧出している究極の温泉である。
ここでは、温泉宿として利用できるものを4つ紹介する。


青森県谷地温泉


青森県八甲田山麓にある開湯400年の歴史を誇る温泉で、日本三秘湯にも数えられる一軒宿。38度の霊泉と言われる湯と42度の白濁した湯の2つを楽しむことができる。

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青森県蔦温泉


平安から続く千年の秘湯。足元湧出の浴槽が2カ所ある。源泉の真上に置かれたブナの木板の間から、生まれたばかりの温泉が沸いています。
大町桂月をはじめ文豪たちが愛した宿としても有名である。

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秋田県鶴の湯温泉


日本一有名な秘湯として知られる乳頭温泉郷にある鶴の湯は、混浴の露天風呂が足元湧出となっている。湯底に敷き詰められている丸い小石の間から、絶えずぷくぷくと温泉が湧出している。
鶴の湯が属する乳頭温泉郷は、その他に、妙乃湯、蟹場、大釜、孫六、黒湯、休暇村の温泉があり、七湯めぐりが可能となります。

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群馬県法師温泉「長寿館」


日本でも有数の秘湯風情が香る温泉である。特に明治28年に建てられた混浴の「法師の湯」は明治時代の面影を残す鹿鳴館風の大浴場となっており、その雰囲気もさることながら、足元に敷き詰められている砂利の間から源泉が湧く神秘的な空間となっている。
与謝野晶子川端康成ら多くの文人もここを訪れ多くの作品を残した。

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以前から、蔦温泉と長寿館のファンで、いずれも何度か訪れたことがある。今後は鶴の湯に是非行ってみたいと思っている。
コロナ禍での自粛生活が続いているが、そろそろ気持ちはスタートラインについている。


さて、デジタル化社会を考えていく中で、別な視点から、日本の伝承 -100年単位での継続性-についてもテーマとし、これからゆっくり取り上げていきたい。衣・食・住、祭り、そして今回の温泉などを題材としたい。