「美意識」

柿右衛門

十七世紀より現代に受け継がれる日本の美意識

1640年代に初代柿右衛門が赤絵を創始し、白磁の美しさとの調和性を究極まで高め、柿右衛門様式として1670年代に確立しました。その美意識は以降15代に渡り現代まで途絶えることなく脈々と受け継がれています。
佐賀地方の方言で米の研ぎ汁のことを「にごし」といいます。
「濁手(にごしで)」は米の研ぎ汁のような温かみのある白色の地肌をもつ色絵磁気で、柿右衛門独特のもの。有田の泉山陶石等を使用した特別な原料とその配合、および独自の製法で作られています。一般的な白磁がやや青味を帯びているのに対し、濁手は柔らかい乳白色。柿右衛門の色絵が一番映える素地として創りだされ、改良を続けながら、柿右衛門様式が確立する1670年代には製法が完成しました。その後濁手は一時断絶したこともありますが、十二代、十三代柿右衛門の尽力により現代に蘇りました。その製陶技術は国の重要無形文化財の総合指定を受けております。 (以上 柿右衛門HPより)


濁手は代々、柿右衛門の酒井田家に伝わる技法であり、柿右衛門様式としてヨーロッパに輸出された。この時代、ヨーロッパでは、中国の磁気や日本の磁器が盛んにもてはやされていた。これはヨーロッパでは未だ作り出すことのできないものであり、列国の王侯貴族や事業家たちはやっきになって製法を見つけようとしていた。
なかでも、ドイツのアウグスト王は東洋磁気の屈指の愛好家であり、錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーを監禁して磁気製造の秘法を研究させた。それが1710年、ヨーロッパ初の磁器窯「マイセン」の誕生につながるのである。この頃、ドイツのマイセン、イギリスのチェルシー窯、フランスのシャンティ窯などでは、柿右衛門の磁気を参考にし、柿右衛門写しという磁器を作り出していた。


以下は、柿右衛門の湯呑ですが、濁手の白色に微妙な違いがあるのがおわかりでしょうか?
2つ目の後半の湯呑は、故第十四代酒井田柿右衛門の作品である。

 

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話は変わるが、藤田嗣治という画家にいる。フランス・パリで長い間生活をしていた。藤田の絵の特徴と言えば、「乳白色の肌」であるが、彼はその色の秘密について一切語らなかった。


磁器と絵画という表現は違えど、直に見ると、共に魅せられる作品である。


作家の山口周さんは、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」という本を出版しております。

「美意識」、大事な視点だと思えてきた。
自分のスケジュールには、この手の時間割を入れると楽しいはず!、だね👍