世の中を観察する「国のファクトデータ」

最近、気になっていた数字を並べてみました。

赤字国債、確かに借金は決してよくないですが、今一度、何を減らし、何を増やすのかを考える必要があります。

・日銀保有以外の国債が約500兆円ですので、これに対する利息を用意する必要があります。(日銀には利息を払っていません)

・外貨準備高180兆円の米国債は、これまでに、日本国債約140兆円を発行し購入しています。すぐには処分できないと思いますが、円安ではこれを売ったら、40兆円儲かりますね。またこれを売ったら、赤字国債はその分減ります。

・対外負債とは、会社や土地などが買収されるということですので、一時的な数字だけではなく推移をみていく必要がありますね。

・国が借金しているから、個人や企業が資産を持っているとも見えます。

 

国の貸借対照表 (2021/3月)
資産 720兆円
負債 1375兆円 (内 国債 1,000兆円)
資産負債差額 ▲655兆円
日銀資産 (2021年3月より)
724兆円 (内 保有国債 528兆円)
国・日銀合算 1,444兆円-1,375兆円= 69兆円


外貨準備高(米国債:財務省所管の外国為替資金特別会計) 180兆円 (2022/8月)


国の対外資産 1250兆円、対外負債 840兆円
対外純資産(資産-負債) 410兆円 (2022/3月末)


個人資産 約2000兆円

(内 現金・預金 1000兆円) (2022/3月末)


日本企業の内部留保額 516兆円 (2022/3月末)

国鉄

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国鉄で車両の近代化を進め、JR九州初代社長を務めた著者が、鉄道の未来、国の未来を考える。
今年90歳での出版、380ページの大作です!


・現在の経済活動はICT化の進展で、ヒトの移動ニーズは減っても、モノの移動ニーズは高まるばかり。人口減少・高齢化、さらにはコロナにより、それはさらに加速した。
・現在の日本の食料自給率は37%(2018年)という危険な数値。食料生産地での増産と消費地へのサプライチェーンの強化が最重要課題
・そのために、新幹線物流を日本列島の大動脈にすべく、現在のJR各社を「JR新幹線会社」として再構築し、国家の強固なサプライチェーンを整備すべき
・新幹線物流ではエネルギー消費が1/10(対トラック)、かつ速度は3倍(対在来線、対道路)

等々


国家インフラとして、多様性かつ強固な物流網及び光ファイバー網の整備は必須である。

コーヒーの淹れ方

2020年より、コーヒーは1日1杯と決めた。
その分、美味しいコーヒーを飲む☕️

作業は、重量(容量ではなく)と時間を以下のドリップスケールで管理

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(コーヒー豆の分量)
・100gの水に対し、コーヒー豆6-8gが適量
・マグカップに一杯飲むなら、水が200gなので、コーヒー豆は、通常14g

(コーヒーの淹れ方)
・先ずは、挽いたコーヒーを入れる前に、フィルター、容器にお湯を入れ、蒸らす。
・その後、挽いたコーヒーを入れ、以下の3投に分けて、入れる
・最初に、蒸らし。お湯の量は20%、時間は1分程度
・次は、お湯の量を20%で、時間は1分程度
・最後に、お湯の量を60%で、時間は2-3分程度。
フィルターから落ち切ったら終了

世の中を観察する- web3とDX

web3 ブロックチェーンにより、何が変わるのか?

・起業・参入障壁が小さくなる。 (資本の低下、契約、取引のコスト低下)
・運営コストが少なくなる。 (セキュリティ、トラストのコスト低下、検証可能)
・誰でも、平等に、グローバルでも、共創できる環境を作れる。
・会社が作り出したサービスやプロダクトは、会社を無くしても、良いものは自律的に継続可能となる。
・所有ではなく、シェアリング、コモンズが容易になる。
・web3の本格化には、インターブロックチェーン(ブロックチェーン間接続)がキーになる。


DXは既に終わったのか?

・欧米ではDXは既に終わったと言われているようだが、そもそも本格的なデジタル化には、大容量の光ファイバーが必須。これを可能にできるのが日本。
光ファイバーに加え、モバイル、低軌道衛星通信を併せた革新的な情報通信基盤を整備すべき。
この基盤をメタバースへと発展可能

「生物はなぜ死ぬのか」

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色んなことを考えさせられた本です、一気に2度読んだ初めての本、名著です!

今回もちょっと長いが以下は本書の抜粋

 

「この世の始まり」を見る方法
・宇宙は138億年ほど前に「ビッグバン」と呼ばれる大爆発から始まったと考えられています。その根拠の一つは、1929年にアメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが発見した宇宙の膨張です。 宇宙には無数の銀河がありますが、ハッブルが詳しく観測すると、宇宙のあらゆる方向で銀河が地球から遠ざかる動きをしていることがわかりました。この現象を説明するには、「宇宙が膨張している」と考えるほかありません。そして、宇宙が膨張する過程を遡ると、138億年前に宇宙は小指の先ほどの大きさに集約されるというのです。その小さな塊が大爆発して宇宙を形成し、現在もなお、膨張し続けているわけです。 たとえば10億光年(1光年は光が1年間に進む距離)離れた星が地球から観察できたとすると、それは、10億年前に発せられた光を見ていることになります。つまり10億年前のその星の光景を見ているのです。
ちなみに太陽から地球までは光の速さで8分19秒かかるので、地球から見る太陽は8分19秒前の姿です。現在観測できるもっとも遠くの星は2018年にハッブル宇宙望遠鏡が捉えたイカロスで、地球からの距離は90億光年です。さらにTMTで138億光年先が見えるとなると、それはまさにビッグバン直後の情景が見えるかもしれないというわけです。
※TMTとはThirty meter telescopeの略で、口径、つまり幅が30メートルもある巨大な望遠鏡だそうです。2005年からスタートしたプロジェクトで、それが近い将来完成するので、天文学者は今からワクワクしながら準備しているといいます。
天文学は物理学と関連性が高い自然科学の分野です。もっと言ってしまえば、天文学も物理学も化学も、生物学以外の自然科学はすべてビッグバンから始まった自然現象の研究で、根っこは同じです。生物学だけは、今のところ地球ができてからの話なので、かなり新参者の学問ということになりますね。自然科学の「若手のホープ」と言ったほうがいいでしょうか。


そもそも生物はなぜ誕生したのか
生命誕生までの最初の、そして最大の壁は「自己複製」の仕組みです。そもそも生物の定義の一つは、自身のコピーを作る、つまり子孫を作るということです。現在、多くの生物では、卵や精子に含まれる遺伝物質DNAが親から子へ受け継がれることで自己複製がなされますが、最初の生物は、遺伝物質そのものと言ってもいいくらいシンプルなものだったと考えられています。これによって、「ターンオーバー(生まれ変わり)」が可能となりました。
そしてその生まれ変わりを支えているのは、新しく生まれることとともに、綺麗に散ることです。この「散る=死ぬ」ということが、新しい生命を育み地球の美しさを支えているのです。
 
そもそも生物はなぜ絶滅するのか
・過去、地球には5回の生物の大量絶滅がありました。もっとも最近の大量絶滅は、約6650万年前、中生代白亜紀末期の大絶滅です。恐竜など生物種の約7割が地球から消え去りました。さらに遡って古生代末期(2億5100万年前)には、なんと生物の約95%が絶滅したと言われています。これらはいずれも、隕石の落下や火山の噴火などの天変地異が原因と考えられています。
・多様な個体が多様な集団を作り、多くが絶滅する中でたまたま生き延びた集団があったというわけです。そしてその環境から、また新たな生物の多様性が生まれていきます。この「多様化‐絶滅」の関係、言い換えれば「変化‐選択」のサイクルのおかげで、私たちも含めた現存の生き物が結果的に誕生し、存在しているのです。これはつまり、ターンオーバーに次ぐ2つ目のポイントである「進化が生き物を作った」ということですね。生物を作り上げた進化は、実は〈絶滅=死〉によってもたらされたものです。
 
そもそも生物はどのように死ぬのか
・生物種によってそれぞれ死に方は異なりますが、簡単にまとめると、小さい生き物は逃げること、つまり「(他の生き物から)食べられないことが生きること」、一方、比較的大きな生き物は自分の体を維持するために、「食べることが生きること」ということになります。また、死に至る過程を見てみると、人間に飼育されている動物以外は、人間のような長い老化期間はなく、生殖というゴールを通過すると寿命がきてピンピンコロリと死ぬことがほとんどです。プログラムされた積極的な死に方にも見えます。
・生き物が誕生してから、長い時間をかけて多様化してきましたが、多様化したのは形態や生態だけではありません。その生きざまに応じて死に方も多様化し、進化してきたのです。 生き物によって違いはありますが、このような死に方は、生き残るために進化していく過程で「選択された」ものだということは共通しています。
 
そもそもヒトはどのように死ぬのか 
・まず、日本人の寿命の変遷を見てみましょう。旧石器~縄文時代(2500年前以前)には、日本人の平均寿命は13~15歳だったと考えられています。この時代のヒトの平均寿命が他の霊長類(サル)よりも短いのは驚きです。弥生時代に入ると、平均寿命は20歳、人口は急激に増加して60万人とも推定されています。それから寿命はしばらく横ばいで、奈良時代以降は少しずつ延びていきました。平安時代には平均寿命は31歳、人口は700万人になりました。ただ、続く鎌倉、室町時代には気候変動による不作や政治の不安定化、それに連動して「いくさ」などが頻繁に発生し、平均寿命はまた20代に逆戻りしました。室町時代の平均寿命はなんと16歳です。その後、江戸時代に入ると社会情勢は安定して、さまざまな文化が花開きました。平均寿命も38歳まで延び、有名な人物では徳川家康は73歳まで生きています。 明治、大正時代の平均寿命は、それぞれ女性44歳、男性43歳と延びました。戦争中は31歳となりましたが、戦後は順調に回復し、70年後の現在(2019年のデータ)では、女性87・45歳、男性81・41歳で過去最高を記録しました。最近100年間で寿命がほぼ2倍に延長したわけです。こんな生物は、他にはもちろんいません。そしてその変動の理由は、生理的なものではなく主に社会情勢に大きく影響を受けてきたわけです。
・戦後、日本人の平均寿命が延びた大きな理由の一つは、乳幼児の死亡率が低下したからです。その主な要因は、栄養状態が良くなったことと公衆衛生の改善です。栄養状態は子供の免疫力を高め、病気になりにくくなりました。公衆衛生の改善は、それまでヒトを苦しめていた伝染病を減らしました。
・そして、2020年に100歳以上の日本人の数が8万人を突破し、毎年急速に増え続けていますが、115歳を超えた日本人はこれまでたったの11名、全世界でも50名にも満たないのです。このような統計をもとに分析すると、ヒトの最大寿命は115歳くらいが限界だろうと言われています。逆に言えば、この年齢までは生きられる能力があるということです。
・現代人の死に方は、アクシデントで死ぬ、あるいは昆虫や魚のようにプログラムされた寿命できっちり死ぬのとは違い、「老化」の過程で死にます。老化は細胞レベルで起こる不可逆的、つまり後戻りできない「生理現象」で、細胞の機能が徐々に低下し、分裂しなくなり、やがて死に至ります。細胞の機能の低下や異常は、がんをはじめさまざまな病気を引き起こし、表面上はこれらの病気により死ぬ場合が多いのですが、大元の原因は免疫細胞の老化による免疫力の低下や、組織の細胞の機能不全によるものです。


そもそも生物はなぜ死ぬのか
・生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにあります。「死ぬ」ことで生物は誕生し、進化し、生き残ってくることができたのです。 化学反応で何かの物質ができたとします。そこで反応が止まったら、単なる塊です。それが壊れてまた同じようなものを作り、さらに同じことを何度も繰り返すことで多様さが生まれていきます。やがて自ら複製が可能な塊ができるようになり、その中でより効率良く複製できるものが主流となり、その延長線上に「生物」がいるのです。生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。壊れないと次ができません。つまり、死は生命の連続性を維持する原動力なのです。本書で考えてきた「生物はなぜ死ぬのか」という問いの答えは、ここにあります。「死」は絶対的な悪の存在ではなく、全生物によって必要なものです。生物はミラクルが重なってこの地球に誕生し、多様化し、絶滅を繰り返して選択され、進化を遂げてきました。その流れでこの世に偶然にして生まれてきた私たちは、その奇跡的な命を次の世代へと繋ぐために死ぬのです。命のたすきを次に委ねて「利他的に死ぬ」というわけです。
健康寿命が延びて理想的な「ピンピンコロリの人生」が送れたとしても、やはり自分という存在を失う恐怖は、変わりありません。ではこの恐怖を、私たちはどう捉えたらいいのでしょうか? 答えは簡単で、この恐怖から逃れる方法はありません。この恐怖は、ヒトが「共感力」を身につけ、集団を大切にし、他者との繋がりにより生き残ってきた証なのです。人にとって「共感力」は何よりも重要です。そしてこの共感力はヒトとヒトの「絆」となり、社会全体をまとめる骨格となります。ヒトにとって「死」の恐怖は、「共感」で繋がり、常に幸福感を与えてくれたヒトとの絆を喪失する恐怖なのです。また、自分自身ではなく、共感で繋がったヒトが亡くなった場合も同じです。そしてその悲しみを癒す、別の何かがその喪失感を埋めるまで、悲しみは続くのです。


人の未来
・従来のコミュニケーションは、人と直接会って話をするというアナログ的なもので、そこでは、見た目や声の調子、雰囲気が重要な情報源でした。しかしご存知のように、現在のコミュニケーションツールのメインは、スマホやパソコンといった電子媒体です。このデジタル信号情報を介したコミュニケーションでは、単なる情報のやりとりが多く、「心」のコミュニケーションは、たとえ絵文字や画像を駆使しても、どうしても今までとは違ってくる部分が出るでしょう。
・AIは何らかの答えを出してくれますが、問題はその答えが正しいのかどうかの検証をヒトがするのが難しいということです。大切なことは、何をAIに頼って、何をヒトが決めるのかを、しっかり区別することでしょう。私の意見としては、決して「ヒトの手助け」以上にAIを頼ってはいけないと思います。あくまでもAIはツール(道具)で、それを使う主体はリアルなヒトであるべきです。
・そして、私が何よりも問題だと考えるのは、AIは死なないということです。私たちはたくさん勉強しても、死んでゼロになります。一世代ごとにリセットされるわけです。死なないAIにはそれもなく、無限にバージョンアップを繰り返します。限られた私たちの寿命と能力では、もはや複雑すぎるAIの仕組みを理解することが難しくなるかもしれませんね。AIが逆に人という存在を見つめ直すいい機会を与えてくれるかもしれません。生き物は全て有限な命を持っているからこそ、「生きる価値」を共有することができるのです。
・それではヒトがAIに頼りすぎずに、人らしく試行錯誤を繰り返して楽しく生きていくにはどうすればいいのでしょうか? その答えは、私たち自身にあると思います。つまり私たち「人」とはどういう存在なのか、ヒトが人である理由をしっかり理解することが、その解決策になるでしょう。人を本当の意味で理解したヒトが作ったAIは、人のためになる、共存可能なAIになるのかもしれません。そして本当に優れたAIは、私たちよりもヒトを理解できるかもしれません。さて、そのときに、その本当に優れたAIは一体どのような答えを出すのでしょうか?ーもしかしたらAIは自分で自分を殺す(破壊する)かもしれませんね、人の存在を守るために。
 
 

世の中を観察する「テクノロジーが予測する未来」

前回の「メタバースとweb3」に続き、今回はこの本を読んでみた。

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ちょっと長いが、以下は本書の抜粋

web3、メタバース、NFTで世界はこうなる
・web3の重要なインフラは、「ブロックチェーン」という技術です。
アプリケーションレイヤーが強かった頃は、ある1つのプラットフォーム上で構築したネットワークや、ある1つのプラットフォーム上で行った取引を、それ以外のプラットフォームに持ち出すことは基本的にできませんでした。 たとえばSNSの場合、FacebookではFacebookのアカウント、TwitterではTwitterのアカウントというようにSNSごとにアカウントを開設し、誰かをフォローしたり誰かにフォローされたりというネットワークを築きますが、そのネットワークを別のSNSに持ち出すことはできません。自分のネットワークであるにもかかわらず、それは自分の所有物ではなくプラットフォームの所有物だからです。 しかしweb3では、自分の取引記録となるトークン、たとえば所有しているデジタルアートのNFTなどは、すべてブロックチェーンに記録されます。あくまでもインフラであるブロックチェーンはどこのアプリケーションの所有物でもありませんから、アプリケーションの縛りなく、そのデジタルアートをどこへでも持ち出せます。
・ここで特に日本に特異的な事情として触れておかなければならないのは、クリプトエコノミー(暗号資産(クリプト=仮想通貨、トークン)による経済圏)に流入した資金が、なかなかフィアットエコノミー(法定通貨による経済圏)に戻ってこなくなっていることです。 なぜかというと、暗号資産を法定通貨に戻す際に、暗号資産取引所の手数料がかかるうえに、フィアットエコノミーに戻った資金には最大55%の税金がかかるからです。株式投資による収入にかかる税金は最大20・315%であることを比べると、暗号資産には重税が課せられているといえます。
・皆さんにぜひ知っておいてもらいたいのが、「コミュニティ」が重きをなすというweb3の特性です。通貨的/証券的ファンジブルトークンとNFTが行き交うweb3とは、「コミュニティありき」の思想的背景を持つイーサリアムがあって初めて成立しているといっていいでしょう。
・web3は、オンライン上で仮想通貨やトークンをやりとりしているというのも大きな特徴です。したがって、オンライン上でのコミュニケーションを前提として、何らかの価値の交換が行われている空間というのが、メタバースの姿としてふさわしいと思います。


働き方
・web3では、個人の働き方は「組織ベース」ではなく「プロジェクトベース」になっていきます。 その主体は「DAO」です。DAOは会社組織ではなく、プロジェクトごとに立ち上げられるので、個人は、自分が興味を持ち、貢献できそうなDAOを見つけるごとに「参加する」というかたちで働いていくことになります。
だんだんと会社員の副業・兼業が解禁され、「パラレルキャリア」といった言葉もよく聞かれるようになっている昨今ですが、DAOで働くようになったら、もはや「本業・副業」という概念すらなくなるでしょう。
・ただ仲間が集って何かを一緒にやろうとしている(たとえば学園祭のように)のではなく、トークンのやりとりを通じて何かを生み出すように機能するコミュニティであることが、DAOのいちばんの鍵です。


文化
ブロックチェーンは、取引ごとに情報のブロックを作成し、そのブロックたちをチェーンでつないでトランザクション履歴を記録するという仕組みになっています。 すべての履歴が連なっており、しかも誰でもチェックできるという透明性があるため、そのうち1つの取引情報だけを改竄するのは事実上不可能。というわけで、このブロックチェーンが、ビットコインイーサリアムなど「通貨として使われる」という、もっとも高いセキュリティが求められる仕組みを技術的に担保しているのです。 このように、もとは取引履歴を記録する仕組みとして生まれたブロックチェーンの技術を使って、デジタルデータが「本物かどうか」「誰のものか」などを証明するようにしたものがNFTです。
・また、NFTは従来の大量生産・大量消費型の産業構造を覆す可能性もあります。 そもそも、世界に1つしかないモノをひとりの人間に届けるのは、非常に非効率的です。ならば大企業が大量に同じものをつくって、いっぺんに大勢に届けたほうが合理的──というわけで大量生産・大量消費型の産業構造がこれまで長く続いてきました。
しかしNFTは大量生産・大量消費のモノではありません。ブロックチェーン技術によって「世界に1つしかない、複製不可能なデジタルデータ」が可能になったからです。 時代は確実に移り変わっており、いまは「モノとのリレーション=強固なつながり」が、より重視されるようになっていると感じます。「皆が同じものを同じように所有する」というのは、すでに古い価値観になりつつある。NFTは、その風潮にもぴったりはまった感があるのです。あるいはNFTの誕生が、その風潮を加速させていると見てもいいかもしれません。
・しかし現実には、貨幣価値に落とし込めないもの、お金で買えないものが、僕たちの周りにはたくさんあります。人の思いや情熱、あるいは時間的経過などという文脈が宿っているものです。 そういうものを文脈ごとトークン化できるNFTは、いままでずっと貨幣経済だけでやってきた既存社会に現れたまったく別種の価値の表現法です。いままで取りこぼされてきた非金銭的な価値も、この新しいテクノロジーによって、もっとうまく表現できるようになっていくでしょう。


アイデンティティ
メタバースには重要なキーワードがあります。それは「多様性」です。「ここはFacebook」「ここはTwitter」といったプラットフォームごとの分断がなく、オンライン上のさまざまなコミュニケーション空間が一緒になって「超=メタ」な「1つの世界=バース」を形成しているというのがメタバースの概念です。したがって空間と空間の行き来は自由で、なおかつ誰もが等しく参加できなくてはいけません。


教育
・いまの教育は、1つの課程を終えて修了証書を受け取ったら、基本的におしまいです。しかも専門職でない限り、自分が学んできたことを仕事の場面でシェアする機会は、ほとんどないでしょう。学びと仕事(稼ぐこと)が分断されてしまっているのです。 本来は、「学び」と「仕事」と「遊び」の3つが一体になっているのが理想的です。というのも、「遊び」がない「学び」や、「遊び」のない「仕事」は、モチベーションとクリエイティビティに何かしらの問題があることが多いのです。現代の様々な問題は、こうしたことに起因するのではないでしょうか。
・web3、「参加型」の学びとは、ひとことでいえば他者とのコラボレーションです。第一に知識を取得し、第二に取得した知識を使って発信し、そして最終的には、第一、第二の経験を踏まえて人と協力し、何かを生み出していくということです。ここで学びの一体化が起こるわけです。 しかし、このweb3的な学びには情熱が必要です。自分から何かに取り組み、達成したいという情熱がなければ、他者とコラボレーションして何かを生み出すほうへと自分を動かすことはできません。 これは、とりわけ現代日本への問題提起になると思います。


すべてが激変する未来に、日本はどう備えるべきか
・Web2・0では、自分のネットワークがGoogleFacebookといったプラットフォームに紐づいていました。自分の持ち物であるはずなのに、自分の自由に扱えない。日本でweb3が浸透することは、海外の巨大企業の手に握られていた所有物(少し強い言葉を使えば搾取されていたもの)を、日本人が自分たちの手に取り戻すこと、ともいえます。 GAFAに代表される破壊的グローバル企業については、かねてより「一部の民間企業に世界が牛耳られる」などと警鐘を鳴らす向きもありました。web3の浸透は「支配的企業からの解放」という意味でも、民主化といえるわけです。
・いま、世界的に大きな関心事になっているのは「誰がweb3時代の覇者になるか」であり、僕は「マイクロソフト、Meta、Twitterソニー VS Bored Ape」の戦いになっていくと見ています。
・これから日本が行っていくべき変革とは、ドメスティックなものを、ただデジタル化するだけでなく、デジタル化を通じてグローバルな存在へと変えていくことだと思います。これを大きな目標とし、世界に照準を定めたゴール設定をすることが、日本再生の道を開く唯一の鍵だと考えます。
・日本にはいままでにも何度か、大きな社会変革がありました。なかでも大きかったのは明治維新と敗戦でしょう。明治維新ではアメリカという外圧をきっかけに、それまでの社会のかたちが根底から覆され、敗戦によって一面焼け野原からの再出発となりました。 どうやら日本という国は、何か抗えない力のため、社会がいったん御破算となってからの再建には長けているようです。しかし、途中で気づいて変えるということはあまりない。

・僕のいう「変革」に破壊的なニュアンスを感じ取っている人もいるかもしれませんが、それは真意ではありません。僕が目指したいのは、スクラップアンドビルド(壊してから再建する)ではなく、トランスフォーム(変容)です。もともとのかたちを壊すことなく、徐々に変えていくことです。
・社会のあらゆるレイヤーで非中央集権化が起こるweb3では、もはや富と権力を一箇所に集中させるというビジョンは古いものとなっていくでしょう。 国家というもっとも中央集権的な枠組みはなくならないにしても、社会の至るところで、個々が己の価値観や趣味嗜好、ライフスタイルに従い、思い思いのかたちで社会参加する。こうしたweb3的ビジョンのもとで、どういうゴールを設定し、社会を再構築していくか。 それは、僕たちひとりひとりに委ねられている。

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ということで2冊を読み終えたが、グローバル変革の前に先ずは日本がどのように変容していくべきか、そのために何をすべきか、さらに現れる課題にどう向き合うべきかについて考えてみた。

私が思い描く、デジタルニッポン2022を以下に示します。

 

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世の中を観察する「メタバースとweb3」

最近、よく登場するメタバース、web3であるが、色々考えなければいけないことがある。例えば、

ブロックチェーン基盤を国内に整備する、ところで電力問題をどう解決するのか?
・web3のID/パスワードはウォレットだが、国民ID(含む分散型ID)の整備は?
・CBDC デジタル円の発行は?
などなど、その他にも、
ブロックチェーンのプラットフォームは誰が牛耳るのか?
・ウォレットは今後、誰が牛耳るのか?
・スマートコントラクトやブロックチェーンに関する人材が圧倒的に足りない。人材をどう増やすか?


ということで、この本を読んでみた。

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以下は本書からの抜粋

メタバース
VR、AR、MR、XR、ミラーワールドのリブランディングが、メタバース
バーチャル上でのリアリティ(実在感)は未だ発展途上
以下の解決がキーとなる。
・解像度、レスポンス
・空間
リアルは1つに縛られるが、バーチャルは複数選べる。

 

web3
ブロックチェーン技術を利用した、仮想通貨、暗号通貨、NFT、DAOのリブランディングが、web3


仮想通貨
ビットコインの本質は「インターネットが初めて持ったネイティブな通貨」
・従来のフィンテックは既存のクレカ、SWIFT、銀行のネットワーク上で、少し効率的にしているだけの話
ビットコインは何ひとつとして既存の仕組みの上に載っていない全く新しい「通貨」


NFT
・インターネットにおいて、デジタルコンテンツはコストゼロで複製可能になってしまったため、違法コピーの影響もあり、データ(コンテンツ)そのものの価格がゼロになってしまった。
・そのため、データ自体を売るのではなく、コンテンツを見つけやすいようにするサービスを売り、月額サブスクでユーザからお金をもらうのがマネタイズの主流となった。
・この結果、インターネット四半世紀の歴史の中でビジネスモデルは大きく広告とコマースの二つだけになった。
・それはインターネットではデータが無料なので、お金を払ってもらうためには、リアルとの連携が必要だったためである。
・今後はNFTのように、バーチャル空間上で暗号通貨、トークン(資産)などの経済的価値を作れる、つまり経済圏をつくる事ができる。デジタル空間の中でマネタイズが完結する経済圏が作れるようになる。
・これにより、インターネット上の産業を、広告、ECから全産業をターゲットにすることが可能となる。


DAO
・最小構成は、ビジョン、それに賛同する人が集まって出来たコミュニティ、それと独自トーク
・DAOの本質を、意思決定の民主化という概念で捉えている人が多いが、本来は、「インセンティブ革命」である
・つまり、プロジェクトに関わった全ての人が金銭的なメリットをもらえるようになっていく。
・従来のストックオプションの仕組みは、創業メンバーをはじめ、一部のコアなメンバーに限られていた、株式も一部のベンチャーキャピタルがほとんど占めていた。従業員、従業員以外の関係者、さらにユーザによる貢献には見返りはなかったが、DAOはそういった人たちにも貢献に応じてインセンティブが渡る仕組みになっている。
・なぜ、メタバースがweb3と結合するのか、それはweb3の魅力として相互運用(インターオペラビリティ)が可能なように設計されているからである。
・完成したDAOこそがメタバースなのかも知れない。

 

、、、、しばらく、観察を続けることにする。